しまおまほ

 校庭の隅にある、学校名からつけられた「城山エベレスト」という小さな山の頂に立って、チャイムが鳴るまで思いを巡らせていた。すごくもやもやして気持ちが悪いけれど、友だちとも先生とも共有できない。永遠の不思議に支配されていた。  家で父に尋ねてみると、 「生きているから生きているんだよ!」  と身もふたもない答えが返ってきた。  仕方なく、母に聞くと 「ジッタンに聞いてごらんなさい」  と、言う。  さっそく祖父に電話をかける。 「ジッタン、どうしてわたしは生きているの?」  すると祖父の答えはこうだった。 「えらいよ、真帆。真帆がそう疑問をもっている事が生きている証拠なんだよ」  ・・・・・・難しい答え。  しかし、それからその事を考える事はなくなった。